ソーシャルスタイル診断をする前に、ソーシャルスタイル理論について簡単に解説します。
ソーシャルスタイル理論とは、人間の行動パターンを4タイプに分類するというコミュニケーション理論のことです。
4タイプとは次の4つですね。
- エミアブル
- アナリティカル
- エクスプレッシブ
- ドライビング
それぞれの特徴を分かりやすくまとめたものが下の図です。
これら4つのタイプを「ソーシャルタイプ」といいます。
相手のソーシャルタイプに合わせて効果的な対応をすることで、相手からの印象が良くなります。
この記事では、4つのソーシャルタイプについて以下の点を説明します
- ソーシャルスタイル診断
- 特徴
- 見分け方
- 効果的な対応
- 避けるべき対応
あなたのソーシャルタイプを知ることで、どういうソーシャルタイプとの相性が良いのかが分かります。
さっそく本文へいってみましょう。
ソーシャルスタイル診断
まずはあなたのソーシャルスタイルを診断してみましょう。
診断方法はいくつかありますが、ここでは僕が営業職の研修でおこなった診断方法を使います。
ソーシャルスタイル診断の流れは次の通りです。
- 質問60コに回答
- ちょっと計算
- 結果発表
ソーシャルスタイル診断①:質問60コ
15コずつ4回、合計60コの質問をします。
質問には、次の1~4で答えてください。
- あてはまらない
- あまりあてはまらない
- ややあてはまる
- あてはまる
回答はメモしておいてください。
ソーシャルスタイル診断①:1~15
- 人をサポートする仕事が好きだ
- 決断する時はじっくり考えたい
- 人の心や空気を読むのが得意だ
- 困っている人や悩んでいる人の相談を受けることが多い
- リスクを冒すことは得意だ
- ビジネスよりも人を優先したい
- 話しやすいとよく言われる
- 相手の反応が気になる
- 気配りが出来る方だと思う
- できるだけ人と対立したくない
- 頼まれるとノーと言えない
- 感謝やねぎらいの言葉をかけられると、やる気がわいてくる
- 上を目指すよりも、現場でみんなを支えたい
- 優しい、穏やかだと言われる
- 単独仕事より、チーム仕事の方が好きだ
ソーシャルスタイル診断②:16~30
- データや資料を集め、分析することは苦ではない
- 計画通りに実行することは好きだ
- 客観的、冷静だとよく言われる
- 失敗や間違いは、できるだけしたくない
- ルーティンワークは苦にならない
- 人から頑固、真面目だと言われることがある
- 孤立してもあまり苦にならない
- 自分から主張することは少ない
- 話が長いと言われる
- 自分の事を話すのは苦手だ
- 急に意見を求められても困る
- まずはリスクから考える傾向がある
- 一つのことを継続して、とことんやることが好きだ
- 石橋をたたいて渡る方だ
- 感情表現はあまり豊かではない
ソーシャルスタイル診断③:31~45
- 人と活気のあることをするのが好きだ
- 細かいことはあまり気に留めない
- 計画を立てたり、計画通りに動くのは苦手だ
- 飽きっぽいとよく言われる
- 新しい仕事を始めるのは得意だ
- 事務処理など、ルーティンワークは苦手だ
- 場を仕切ることが好き、もしくは得意だ
- 調子がいいやつだと言われることがある
- 話題を提供することが得意だ
- 過去の規則や慣習にとらわれるのはおかしい
- 人を褒めることが得意で、褒められることも好き
- 意見を求められると嬉しい
- はじめての人とでも気軽にコミュニケーションを交わせる
- 感情表現は豊かな方だと思う
- 一緒に居てよく楽しいと言われる
ソーシャルスタイル診断④:46~60
- 行動的、野心的、エネルギッシュである
- 向上心がある方だ
- 決断力がある方だ
- 人間関係より仕事を優先したい
- 正義感が強い方だ
- ペースが速いとよく言われる
- 保身的な態度をとるのは嫌いだ
- 場を仕切ったり、リーダーシップを取ることが好き
- 自分をコントロールしようとする人には反発してしまう
- 人に怖い、キツいと言われたことがある
- 自分の弱いところは見せたくない
- 人の気持ちには鈍感な方だと思う
- 優しい感情を表すことが苦手だ
- 褒められると何か裏があるのでは?と思うことがある
- 人をなかなか信用しない
ソーシャルスタイル診断②:計算
計算手順は次の通りです。
- ①~④に分けて、15コの回答の数字をそれぞれ加える。
- 1で得られたそれぞれの数字に5を掛ける
- 2で得られたそれぞれの数字を3で割る
これを①~④の4通りやって、4つの数字を出してください。
ソーシャルスタイル診断③:結果発表
①~④の数値うち、最も高かったものはどれですか?
①が最も高かった方:あなたはエミアブルタイプです。
②が最も高かった方:あなたはアナリティカルタイプです。
③が最も高かった方:あなたはエクスプレッシブタイプです。
④が最も高かった方:あなたはドライビングタイプです。
因みに、僕は③と④が同じ数値で、最も高かったです。
僕のように、最も高かった数値が2つある方は、両方の性質を持っているということです。
4つのソーシャルスタイルの特徴・対応方法
それぞれのソーシャルスタイルについて、次の順番で説明します。
- 特徴
- 効果的な対応
- 避けるべき対応
ソーシャルスタイル①:エミアブル
エミアブル(Emiable)とは、日本語で「愛想が良い」という意味です。
みんな喜びます! 力になります! 一緒に頑張りましょう!
エミアブルタイプの特徴
- 協力的
- 親しみやすい
- 我慢強い
- 教えるのが上手い
エミアブルタイプへの効果的な対応
- くつろいだ雰囲気で個人的な会話から入る
- プライベートの事を話題にする
- 1対1で対応し、相手の話をじっくりと聴く
- 相手の協力に感謝の気持ちを表す
- 不安や心配事を取り除いてあげる
- リードしてあげる
- 穏やかな口調・ソフトな口調で話す
- 相手の考えを受け入れる
- 結果が出るまでじっくり待つ
- みんなと同じであることを強調する
エミアブルタイプへの避けた方が良い対応
- 仕事の話から入る
- 冷たい態度を取る
- 理屈で追い詰める
- 過度な要求をする
- 葛藤を起こさせる
- 高圧的な態度を取る
- すぐに結論を求める
- 他人の悪口を言う
つまり、エミアブルタイプの人と接するときは、何よりも相手の気持ちを優先するという意識が大切です。
ソーシャルスタイル②:アナリティカル
アナリティカル(Analytical)とは、日本語で「分析的な」という意味です。
データが示しています。 他社での事例、実績があります。
アナリティカルタイプの特徴
- 真面目
- 洞察力が高い
- 着実性がある
- 冷静で客観的に判断する
アナリティカルタイプへの効果的な対応
- 仕事の話から入る
- 物事を慎重にゆっくりとはこぶ
- データ・資料等の事前準備を万全にして対応する
- 時間の了承を得てじっくりと話す
- データ・情報等の裏付けをもとに話を進める
- 考える時間を十分に与える
- リスクが少ないことを保証する
- 論理的に話す
アナリティカルタイプへの避けた方が良い対応
- 抽象的な表現
- 大げさな話
- 過度におだてる
- なれなれしくする
- 決断・意思決定をせかす
つまり、アナリティカルタイプの人と接するときは、論理的に話すことが大切です。
ソーシャルスタイル③:エクスプレッシブ
エクスプレッシブ(Expressive)とは、日本語で「表現に富む」という意味です。
業界初! 新しい! 他社にはない取り組み!
エクスプレッシブタイプの特徴
エクスプレッシブタイプの特徴
- 積極的
- アイデアマン
- コミュニケーション上手
- カリスマ性が高い
エクスプレッシブタイプへの効果的な対応
- 世間話や冗談から入る
- 相手を立てる
- 理解を示し、大きくうなずく
- オープンな議論をする
- 早いペースでエネルギッシュに大きな声で話す
- 著名人や有名企業の例を出す
- 細かい話ではなく、大きな視点から話を展開する
- 相手の考えに関心を示す
- 他人との違いを強調する
- 資料はできるだけ少なく簡潔にまとめる
エクスプレッシブタイプへの避けた方が良い対応
- よそよそしい態度
- 細かい話をする
- 常識やルールに固執する
- 相手を批判する
- 事実・数字に固執する
- 仕事の話のみをする
- 暗い話をする
- 慣習にこだわる
- 理屈っぽい話をする
つまり、エクスプレッシブタイプの人と接するときは、元気良くハキハキと話すことが大切です。
ソーシャルスタイル④:ドライビング
ドライビング(Driving)とは、日本語で「推進の」という意味です。
必ず結果に繋がります! コストパフォーマンスが高いです!
ドライビングタイプの特徴
- 行動が速い
- 責任感が強い
- 仕事熱心
- コミット意識が強い
エクスプレッシブタイプへの効果的な対応
- 仕事の話から入る
- 結論から言う
- 時間を正確に守る
- テンポ良く話す
- 目的・目標を明確にする
- 相手に決断させる
- 2択で質問する
- 数字やデータを使って説明する
- 素早く回答する
- てきぱきと行動する
エクスプレッシブタイプへの避けた方が良い対応
- だらだらと話す
- 個人の考えを強調する
- 情報元が不確かな情報を提示する
- 命令・忠告口調
- 疑問点を残して先に進む
- 曖昧な言い方をする
- 自分から雑談や世間話をする
つまり、ドライビングタイプの人と接するときは、会話の主導権を相手に握らせることが大切です。
以上が、4つのソーシャルスタイルの説明です。
次に、このような疑問にお答えします。
ソーシャルスタイルの見分け方
下の表をご覧ください。
これは、ソーシャルタイプの特徴を表にまとめたものです。
この表を覚えて当てはまるものを見つけるというのが、おそらく一般的なソーシャルタイプの見分け方です。
ソーシャルタイプの見分け方:本記事の筆者のやり方
先ほど一般的な見分け方について説明しました。
しかし、実際にやってみると分かりますが、初対面の人とコミュニケーションを取りながらあの表に当てはめていくのは至難の業です。
僕にはできなかったので、僕個人の判断基準を作りました。
それがこちらの図です。
最初に「話す速さ」に着目します。
話す速さが遅いなら「声の調子」に、話す速さが速いなら「話す長さ」に着目し、それぞれのソーシャルスタイルを見分けるというものです。
ですので、慣れてきたら判断基準を増やしていく形で良いと思います。
相手のソーシャルスタイルを見極めたら、先ほど説明した「効果的な対応」を心がけましょう。
ソーシャルスタイル診断をするメリット
- 人間関係が円滑になる
- 感情をコントロールできるようになる
- イライラしなくなる
ソーシャルスタイル診断をするメリット①:人間関係が円滑になる
ソーシャルスタイル診断をすると、人間関係が円滑になります。
なぜなら、自分が取るべき対応がわかるからです。
これは実際に僕が試してみたことなので分かりますが、ソーシャルスタイルに当てはまった対応をすれば大体上手くいきます。
ソーシャルスタイル診断をするメリット②:感情をコントロールできるようになる
自分のソーシャルスタイルを知ると、感情をコントロールできるようになります。
なぜなら、ソーシャルスタイルが分かれば、自分に対する適切な対応が分かるからです。
感情が乱れそうになった時は、落ち着くような考え方をすれば良いのです。
ソーシャルスタイル診断をするメリット③:イライラしなくなる
ソーシャルスタイル診断をすると、イライラしにくくなります。
なぜなら、人間関係がただの攻略ゲーになるからです。
例えば、多くの人が初対面の相手に対して、「仲良くなれるかな・・・」と考えるでしょう。
しかし、ソーシャルスタイルを知っていれば、「どのスタイルの人かな?」となります。
そしてソーシャルスタイルが分かったら、適切な対応を教科書通りに進めて行けば良いのです。
因みに、すぐに怒ってしまう方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
この記事では、ソーシャルスタイル理論について解説しました。
また、ソーシャルスタイルによって相性の良し悪しがあります。
僕の場合、過去に交際した女性は全員エミアブルタイプでした。
あなたが普段仲良くしている人のソーシャルスタイルを考えてみてください。
そうすると、自分に相性の良い人がどういう人なのかが分かります。
また本ブログでは、社会人や学生に役立つ情報を毎日発信しています。
人生を便利にしたい方や現状に不満がある方は、以下の記事をご覧ください。
質問等ありましたら、コメントからお気軽にどうぞ!
最後までご精読いただきありがとうございました。